「笑ってるけど…大丈夫じゃない?」〜保健師が見た、産後ママのSOS〜

保健師として経験

ピンポーン。
玄関を開けたママは、ニコッと笑って「どうぞ〜!」と迎えてくれました。

化粧もちゃんとしてるし、赤ちゃんもぐっすり。
部屋もそれなりに片付いてる。

「おぉ、すごくしっかりしたママだな」──なんて思った、その数分後。

私の中の“保健師センサー”が、小さくピピッと反応しました。

「大丈夫です」って言う人ほど、ちょっと注意

ママは終始ニコニコしていました。

「育児は大変ですけど、まあ、慣れてきました」
「夜泣き?全然、まあなんとか」
「夫も忙しいし、私が頑張るしかないですね〜」

…どの言葉も、一見“問題なし”。

でも、笑顔がちょっとピリッとしてる。
声のトーンが、ずっと同じ。
赤ちゃんへの目線が、どこか遠い。
表情がなんとなく疲れている。

「あ、これ、ちょっと無理してるかも」

保健師の頭の中では、こんなナレーションが流れてました

🧠(よく笑う人ほど、笑顔の中に「不安」を隠すの、知ってるよ)
🧠(この人、今、誰にも「しんどい」って言えてないんじゃないかな…)

「頑張ってるの、伝わってますよ」──そのひと言で、ふっと表情がゆるんだ

ママが赤ちゃんを抱き上げたとき、ふとつぶやいたんです。

「…この子、泣いてても、私が抱っこしても泣き止まないことがあって。
なんか、私じゃダメなのかなって、思っちゃったりして」

そこで、私は静かに言いました。

「そんなふうに思うってことは、すごく一生懸命向き合ってる証拠ですよ」
「赤ちゃんはママが大好き、絶対に思ってる。泣くことで、それを伝えてるんですよ」

ママの目がふっと揺れて、ちょっとだけ赤くなって。
「…うれしいです、そう言ってもらえて」って、小さな声で返してくれました。

笑顔の奥にある「疲れ」や「孤独」を、ちゃんと見つけたい

産後うつは、“笑ってるママ”にも、ふつうに起こるものです。

「大丈夫」って言葉は、ほんとうに“安心”のサインかもしれないし、
逆に「それ以上聞かないで」のサインかもしれない。

だからこそ、保健師として
「言葉の裏にある気持ち」をキャッチする感覚を、いつも研ぎ澄ませていたいのです。

まとめ:こんなママ、もしかして…?のチェックポイント📝

  • よく笑うけど、目が笑ってない
  • 「大丈夫」を連発する
  • 頑張ってる様子が“過剰”に見える
  • 自分の話より赤ちゃんの話しかしない
  • 家の中が“完璧すぎる”ように感じる

もちろん、すべてが産後うつのサインとは限りません。
でも、「違和感」を覚えたら、それは“感覚のセンサー”が働いている証拠です。

最後に

保健師の仕事は、「症状を見る」よりも「気配を感じる」仕事なのかもしれません。

笑顔の奥にある声なきサインに、ちゃんと気づけるように。
そのために、私たちはママたちの“いつも通り”を、丁寧に見ています。

なんか苦しい、気分転換ができない、苦しいことを自分自身分かっておらず無理しているママ。

一度深呼吸をして。身近な人にでもいいです。第3者でもいいです。自分が話しやすい人に自分の今思っていることを素直に話してみてください。助けを求めましょう。


📣この記事はこんな方に届けたい

  • 「大丈夫」が口癖になってる産後ママさん
  • 近くに子育て中の人がいて、少し心配な方
  • 保健師の仕事に興味がある方

コメント

タイトルとURLをコピーしました